この記事では、獣医学科で微生物学を学んだ私が、コロナウイルスについて解説します。
新型コロナウイルスが分類されるコロナウイルス科には犬や猫にも感染するものもあります。
さらに、人間以外の動物に感染すると呼吸器系だけでなく、下痢や肝炎を引き起こすこともあります。
しかし、現在感染が拡大している新型コロナウイルスは、
人間からペットにうつるリスクは非常に低い
引用:新型コロナ、ペットにうつる?専門家の見解は
とされています。
コロナウイルス怖いであります…
本当怖いよね…。外出もなかなかできなくなってしまったね。
のりは学校で、コロナウイルスについて勉強したでありますか?
うん!細菌やウイルスを学ぶ微生物学で勉強したよ!
どんなことを勉強したのか、詳しく教えて欲しいであります!
じゃあ、今回は私が獣医学科で教わったコロナウイルスについて詳しくお話ししていくよ!
1.コロナウイルスの分類
コロナウイルスは豚繁殖・呼吸 障害症候群を引き起こすアルテリウイルス科と共に、ニドウイルス目に分類されます。
さらにコロナウイルス科のウイルスは、感染することで以下の症状を引き起こします。
・猫伝染性腹膜炎(猫)
・犬コロナウイルス病(犬)
・豚伝染性胃腸炎(豚)
・豚流行性下痢(豚)
・牛コロナウイルス病(牛)
・マウス肝炎(マウス)
・SARS(ヒト)
・MARS(ヒト)
・牛トロウイルス病(牛)
へえ、人間以外の動物に感染すると呼吸器のほかに下痢や肝炎を引き起こすこともあるんだ!
報道などで使われるCOVID-19は、新型コロナウイルスに感染した際の症状名のことです。
COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスは、SARSやMARSと同じベータウイルス属です。
SARSやMARSは犬や猫には感染しませんでしたが、COVID-19が、犬や猫のようなペットにも感染するかはまだ明らかになっていません。
しかし、同じウイルスによる症状が、ヒトと動物に同時に表れることは稀なので、私たち人間がペットにうつしてしまう可能性は低いと言えます。
また、COVID-19はコウモリが持つコロナウイルスと9割の相同性をもっています。
これがコウモリが持つコロナウイルスが、人間にも感染するウイルスに変異したと考えられている理由だよ。
2.コロナウイルスの構造
コロナウイルスは形態が太陽のコロナに似ていることから命名されました。
大きさは直径100~140mmでエンベロープを持ちます。
エンベロープはウイルスを包む皮のようなもの。有機溶媒や界面活性剤によってすぐ失活するんだ。だから石鹸や消毒薬が有効なんだ。
ちなみにエンベロープを持たないウイルスは石鹸や消毒薬も効かないんだ。
コロナウイルスはエンベロープを持っていることがせめてもの救いだね…
※ゲノムは直鎖状プラス鎖1本鎖RNA。RNAウイルスゲノムの中では最長です。(獣医学生向け)
まとめ
新型コロナウイルスが、人間からペットに感染する可能性は低いと言えます。
しかし、新型コロナウイルスについては、未だ分かっていないことも多いのが事実です。
今回、コロナウイルスにはエンベロープがあり、手洗いうがい、アルコール消毒がとても有効であることを紹介しました。
コロナウイルスについて理解が深まったかな。
ウイルスに対する多くの知識を持ってメディアを見てみると、今までと少し見方が変わるかもしれないね。
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