京都大の研究グループが、マレーシアのボルネオ島で新種の半地中性トカゲを発見しました!
その名も、コガタラルティアトカゲ。
アシナシトカゲによく似た姿をしていますが、アシナシトカゲの仲間なのでしょうか?
新種の発見は、いつもワクワクするであります!
アシナシトカゲは、見た目はヘビなのにトカゲだから不思議だよね!
図:ボルネオ島から見つかった新種コガタラルティアトカゲ
出典:ボルネオ島から半地中性トカゲの新種を発見 ―熱帯雨林の林床の小型爬虫類の多様性と保護の必要性―
アシナシトカゲとは?
吾輩と同じ、トカゲの仲間とは思えないでありますね!
本当にそうだね!まずは、アシナシトカゲとはいったいどんな仲間なのか見ていこう!
図:ヒメアシナシトカゲ
出典:Wikipedia|アシナシトカゲ科
生態
有鱗目 オオトカゲ下目 アシナシトカゲ科
これが、アシナシトカゲの分類です。
ヘビは、一般的に ヘビ亜目 に分類される仲間ですので、まったく別物ですね。
アシナシトカゲは、肉食・昆虫食で、卵生・胎生どちらの種も存在します。
また、基本的には、地上種ですが、樹上性のものもいるようです!
アシナシトカゲは、以下のように分類することができます!
- 小さくて細い四肢のある、ガリワスプ属
- がっしりした四肢のある、アリゲーターリザード属
- 四肢のない、アンギナー属
ガリワスプ属
ガリワスプ属は、小さく、か細い四肢があるトカゲたちです!
カリブ海周辺に多く生息しており、熱帯雨林が主な住みかとなります。
出典:Googleマップ (C)2019 Google, INEGI
ハイチには、こんなに大きなアシナシトカゲの仲間もいるんですよ!
こちらのハイチアンジャイアントガリワスプは、IUCNレッドリストに登録されている、絶滅危惧植物です。
マングースのような特定外来生物による侵略や、現地住民による乱獲などにより数を減らしています。
図:ハイチアンジャイアントガリワスプ
出典:https://www.nashvillezoo.org/galliwasp-conservation
こちらは、コスタリカのコスタリカンレインボーストライプガリワスプです!
鮮やかな体色がとてもかっこいですね!
現地では、「サンゴヘビの母」などと呼ばれており、毒をもつと信じられていますが、実は無毒の生き物です。
図:コスタリカンレインボーストライプガリワスプ
photo by Tom Snyder
こちらが、サンゴヘビの仲間です。
たしかに、コスタリカンレインボーストライプガリワスプが、「サンゴヘビの母」と呼ばれるのもうなずけますね!!
図:サンゴヘビの仲間
出典:https://www.houstoniamag.com/articles/2017/4/10/coral-snake-milk-snake-mix-up
アリゲーターリザード属
アリゲーターリザード属は、本当にアシナシトカゲ?と思うほど、がっしりとした四肢を持っています。
こちらのメキシカンアリゲーターリザードも、カリブ海に面するメキシコに生息しています。
エメラルドグリーンの美しいトカゲは、ほれぼれしちゃいますね!
絶滅危惧植物ですので、なかなかお目にかかることはありませんが、日本でも「アオキノボリアリゲーターリザード」として流通することがあります。
図:メキシカンアリゲーターリザード
photo by r/pics
アンギナー属
これぞ、まさにアシナシトカゲ!!といった、四肢のないトカゲです。
生息地としては、ヨーロッパや東南アジア、北米など。
トカゲとヘビは、次のように簡単に見分けられます!
・トカゲは尾を自切するが、ヘビは自切しない。
図:イースタングラスリザード
photo by pondhawk
新種:コガタラルティアトカゲ
コガタラルティアトカゲは、マレーシアのボルネオ島で採取されました。
ラルティアトカゲ属としては、プエラルティアトカゲに続き、2個体目となります。
ラルティア属のトカゲは、現在、トカゲ亜目 スキンク科 に分類されています。
これは、オオトカゲ下目 アシナシトカゲ科 のアシナシトカゲとは少し離れた分類ですね。
実際、四肢の残ったアシナシトカゲは、中南米に多く、本種が見つかったのは、アジア地域です。
本種も四肢のあるアシナシトカゲも熱帯雨林に生息していますし、収斂進化の可能性もありますね!
収斂進化とは、遠く離れた地でも、環境が似ているなどの理由で似たような進化をたどることを言うのでありますよ。
象に近縁なジュゴンと、クマに近縁なアザラシもそうだね。
もし宇宙人がいたとしたら、人類の収斂進化であります!
図:ボルネオ島から見つかった新種コガタラルティアトカゲ
出典:ボルネオ島から半地中性トカゲの新種を発見 ―熱帯雨林の林床の小型爬虫類の多様性と保護の必要性―
ボルネオ島には、野生動物の保護区が存在しますが、本種は、保護区ではないベンリッセン山で見つかりました。
近年の東南アジア地域は、熱帯雨林破壊の影響を受けている可能性もあります。
調査の進んでいない非保護区で発見されたということは、他にも新種発見の余地が残されていると考えられますので、注意が必要ですね。
野生動物や、自然環境の保護・保全がより一層進むことを切に願います。
まとめ
今回は、アシナシトカゲに似た新種が発見されましたので、アシナシトカゲについて調べてみました。
新種のコガタラルティアトカゲは、姿はアシナシトカゲに似ていましたが、分類上は、アオジタトカゲなどと同じスキンク科でした。
生息環境が似ていますし、収斂進化の可能性もあるのではないでしょうか?
また、コガタラルティアトカゲの生息地域は保護区になっておりませんので、その保護・保全には注意が必要ですね。
これ以上、人間のせいで命を落とす動物が増えてほしくないね。。
野生動物・自然環境の保護・保全意識を今一度見直したいでありますね。
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